
ウンブリアとトスカーナの骨董市を訪ねて
イタリアの骨董市
イタリアに住む楽しみのひとつは、あちらこちの町や村の広場、或いは川岸で開かれる骨董市を訪ねること。 ここウンブリア州とトスカーナ州の州境付近でも、週末になると丘の上の街や谷間の都市、そして小さな村のどこかで、大小さまざまな骨董市が開かれます。 陳列されているものがすべて骨董品というわけではなく、ガラクタから掘り出し物までそれこそ様々。どちらかと言うとガラクタの方が多いことが殆ど。でもその雰囲気に身を任せ、新しい持ち主を待っている古い品々を通してイタリアの文化や歴史を楽しむところに、イタリアの骨董市巡りの醍醐味があると言って良いのではないでしょうか。
Antique Market of Arezzo, Tuscany
私が一番好きな骨董市は、毎月最初の週末に開催されるトスカーナ地方、アレッツオの骨董市。この骨董市はイタリア最大の骨董市で、約700もの屋台が軒を連ねます。骨董市が開かれる週末は、大小、さまざまな家具や装飾品、そして売り物の屋台がこの美しい古都の主要な通りや広場を占拠、街全体が古い物やガラクタの並ぶ青空博物館に変身。ゆっくり廻れば、1日かかっても時間が足りないくらい。
Arezzo, Tuscany
アレッツオはフィレンツエから南東に60kmほど、古エトルリアの首都の一つであり紀元前7世紀にさかのぼる歴史の古い街。街中が歴史と芸術の宝庫、特にピエトロ・デラ・フランチェスカの最高作と言われるフランチェスコ聖堂のフレスコ画、”聖十字架の伝説”が見ものです。又、有名な美術家/歴史家ジョルジオ・ヴァサーリの生まれ故郷でもあります。近代ではロベルト・ベリーニの映画”ライフ・イズ・ビューティフル”を始め多くの映画の舞台となっているのでご存じの方も多いかもしれません。
Santa Maria della Pieve
Roman Arena
Church of San Domenico
Fresco by Vassari
Piazza Grande
Piazza Grande
ヴァザーリ広場としても知られるグランデ広場は、アレッツォの歴史的、そして市民の生活の中心地でもあります。 ジョルジョ・ヴァザーリの16世紀の優雅なロッジアが、この大きな広場でひときわ目立つことで有名でも有名です。この美しい広場ではいくつもの映画が撮影され、1997年、ロベルト・ベニーニ主演の映画『ライフ・イズ・ビューティフル』もこの広場がロケに使われました。
Lili’s Shop
フィレンツェで修業を積んだ有能なアンティーク家具修復家である私の親愛なる友人リリイは、20年以上前からアレッツオに屋台を構えています。カンパーニャ州の片田舎にあるアトリエから、彼女は毎月300キロの道のりを車で走り、修復した家具や装飾品、その他イタリア全土から集めたユニークな品々を展示。テントの下は、家具、オブジェ、思い出の品々の博物館であり、まるでこれらは新しい家で息を吹き返すのを待っている様子です。
アレッツォ観光のお役立ち情報
