テーブル探しは大成功
ヴェローナの大理石と鶏小屋の結婚
今日は二つの物の素晴らしい巡り合わせ、英語で言う”Match in Heaven”(天国での巡り合わせ)の話をしましょう。
この数年間、狭い庭のスペースに置く細長い石のテーブルを長いこと探していたのですがこれが難しく、テーブルの板にする石は採石場で切ってもらうにしてもその重さを支える寸法の合う台が見つからない。なかなか見つからず、途方に暮れていました。
カンパーニャ地方に住んでいるアンティーク修理専門の友人宅を訪ねた時、彼女の家の広い庭をゆっくり散歩しながらはと目に止まったのが工房の外に立てかけたあった茶色っぽいピンクの大理石。年月が経ち、汚れて汚くなっていましたがその模様の美しいこと、そして何よりも細長いサイズが探していたテーブルにぴったりあいそうなので、すぐ友人に”この大理石、テラスのテーブル・トップに出来るかしら”と聞いてみました。
”貴方は見る目があるわね。これは古い貴重なヴェローナの大理石で”マルモ・ロッソ・ディ・ヴェローナ(ヴェローナの赤い大理石)"と言うのよ。今は汚く茶色に見えるけれど大理石屋さんに磨いてもらったら魔法のようにサーモン・ピンクの色がパッと浮き出るわよ。”とのこと。私は心がワクワクしてすぐに”これに合うテーブルの足を探してくれる?と頼みました。
昼食後、彼女が”ちょっと来て”とニコニコするので庭を歩いていくと置いてあるのが鶏を入れる鉄柵。庭の隅にある鶏を飼っているエリアを掃除する時に鶏を臨時に入れておくための柵らしいのですがこれこそ探していたテーブルの土台のサイズ。二人で重たい大理石を抱えて鶏の柵の上に置いてみましたがご覧のようにこれこそ”Match in Heaven”, サイズも厚みのバランスもピタリ、まるでこの鶏用の鉄柵は美しいヴェローナの大理石が来るのを長年待っていたよう。
鶏には悪いけれど掃除の時は別の柵に入ってもらうことにしてこの鉄柵は早速、彼女のスタジオへ修復のために運ばれました。
数週間後、カンパーニャから届いたテーブルの土台。網を取り除いて丁寧にやすりをかけ、鉄の色に塗った後、再度やすりでマットなアンティーク調に仕上げてあります。テラスの上で椅子の高さに合わせ足の長さを調節して完成。
土台の上に置かれたヴェローナの大理石の美しいこと。庭のテラコッタのタイルと色が良く調和してまるでタイルと色を合わせるようオーダーメードしたような感じになりました。
得に白い食器の色が映える美しいテーブル。気候さえ良ければ食事は何時も外でするので春から秋にかけてこれから多いに活躍してくれる事でしょう。
ヴェローナの大理石と鶏の鉄柵の結婚を成功させた友人に拍手!