骨董市で見つけた小さな宝もの
開けごま!
開け、ゴマ!
今日は私の”宝探し”で見つけた私のお気に入りの宝物の一つをご紹介しましょう。
トスカーナ州、アレッツォの骨董市で見つけた小さな腰掛け、それほど古くはないけれど可愛いのでキッチンの踏み台に使おうと思ってこの腰掛けを売っているアンティーク修復専門・ディーラーの友人、リリィに値段を聞いてみました。彼女は”これはただの腰掛けではないの、ちょっとした仕掛けがあるのよ”とニコニコ顔。
上部が蓋になっていて開けると中は仕切りのある道具入れ、そして中央の細長い板がカクンと地面へ。あら、これはもしかすると靴磨き用の腰掛け?
ご覧の通り、この小さな腰掛けは昔の靴磨き用の腰掛けでした。
私はピカピカに磨いて眺めて楽しむ装飾品としての骨董品より日常に使える生活の中の一部として役目を持つ実用的なもの、そして使用している過程で歴史や物語りを語ってくれる古い家具や小道具に惹かれます。ちょっとした仕掛けがあれば余計に楽しい。そこで早速友人に表面のペンキを剥がして素材の木材に戻して上塗りをかける修復を頼むことにしました。
出来上がりは下の通り。玄関のテラコッタの床に色が良く調和して結構エレガントな感じに変身。修復を終えた友人が中に入れるアンティーク調の靴磨き用品を中に詰めてくれました。イタリアで学んだのは古いものを大切にするヨーロッパの心が歴史を作っていると言うこと。ちょっとお化粧をしなおして貰えば古いガラクタもまだまだ健在に活躍、そして私にとっては他では買えない宝もの。
古いものを大切に長く使っていく文化。小さな腰掛けに目覚めさせられた次第です。