フィレンツェのお米のタルト

冬の夜のフィレンツェ、どのカフェかバールに入ってコーヒーを飲もうかなとウインドウ越しを覗きながら歩いていると、各お店のガラスケースの中にお馴染みのパン菓子やクッキーの横にちょこっと並んでいるBudini di Riso と書かれた小さなボート型のお菓子を発見。あれ、これはウンブリアの街でもローマでも見たことがないわ、何だろうと興味深々。私のトスカーナ料理の本にこのお菓子のレシピは載ってなかったかしら。

早速ホテルに帰ってから検索してみるとブッディーニ・ディ・リゾはトスカーナ名物で主に朝食にカプチーノと共に食べるのだそうです。名前(リゾ=ご飯)からこれはお米のプディングのようなものだと思いましたがやはりその通り。ブッディーニ・ディ・リゾの発祥地はシエナで最初はお米のプディングのみ、その後フィレンツェでプディングをペーストリーで包むようになり現在のタルト型になったとか。材料はリゾット用の白米を牛乳、卵、砂糖と少量のバターでゆっくり煮、ヴァニラとすりおろしたレモンの皮で香りづけしたシンプルなもの。うっすらとした甘さにほんのりとヴァニラとレモンの香りが良く合い、朝食だけでなく、ティータイムに紅茶やデザート・ワインとも相性が良さそうな素朴なお菓子。

美味しそうなお菓子を見ると即、作りたくなる私。早速、帰ってからイタリアのウエブサイトに載っている数々のレシピを参考にして作ってみました。数回の試行錯誤の後に辿り着いたのが写真のブッティーニ・ディ・リゾ。ちょうど日本にいたのでイタリア米の代わりに日本のお米で作ってみました。選んだ米は柔らかくもちもちで冷めても固くならない特徴のあるミルキー・クイーンと言う品種のお米です。作ったら焼きたてはクリーミー、冷めても固くならずさっと温めても焼き立てのように美味しくて我ながら大満足。 早速、レシピ・コレクションに追加しました。

*好みでバターの量を増やし、生クリームを少々追加すればリッチな味に出来上がりになります。反対に軽いお菓子にしたい場合はタルト皮なしでタルトレット型に入れて焼くことも出来ます。
ブッディーニ・ディ・リゾを焼いたら部屋中に漂うレモンとヴァニラの香りがあなたを幸せに包んでくれる事でしょう。

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伝統的なイタリアの朝食