ケッパーのつぼみを摘みに
毎日のように速歩で歩くオルヴィエートの崖下を一周する”ルペ”と呼ばれる散歩・トレッキングのトレイル。5月下旬になると崖の壁面のところどころに茂っているケーパーの枝に沢山のつぼみがつき始め、真っ赤なポピーと共にトウファと呼ばれる石灰岩の険しい壁面を色華やかに飾ります。
ケーパーの花は早起き。早朝日差しを感じる感じるとすぐにつぼみが次々と開花してゆきます。真っ白な花弁の中から細い紫のおしべが花火が散ったように広がり、その可憐な花の綺麗なこと。でもケーパーの花は1日でしぼんでしまう1日花。
イタリア料理によく使われるケーパー、スーパーで簡単に手に入りますがこれぞローカル・オーガニックを基本とするスローフード運動の出番とばかり、実を摘むために紙袋をポケットに入れて早朝の散歩へ。開花する前につぼみを収穫してしまうのはちょっと気がひけますが小さく引き締まった実でないと美味しくないので花が咲く前の小さなつぼみだけを丁寧に摘んでゆきます。
摘んだ実はたっぷりの水につけ、3日ほど新しい水と入れ替えを繰り返します。ケーパーの実は独特の強い臭みがあるのでこのステップを怠けると美味しい塩漬け・酢づけのケーパーが出来ません。下の写真が水替えを終えてペーパー・タオルで水分をとった状態。今回は酢漬けにして瓶に詰めましたがもう一つの保存方法は塩漬けです。どちらかと言うと塩漬けにした方が実が締まって香りが強いので買う時は何時も塩漬けのケーパーを買っています。
酸味のあるケーパーが料理の味を引き立てる美味しいイタリア料理の一つ、バッカラ・ナポリターナ。淡白な鱈にかけるトマト・ベースのソースのアクセントに欠かせない脇役です。いずれレシピ欄でご紹介しましょう。