ワイン・テイスティングの一日

南トスカーナのワイナリーへ

私はアルコールにはあまり強くないのですけれど、いろいろな産地のワインを試したり、ワイン造りについて学んだりするのは大好き。 イタリアの有名なワイン産地の中心に住んでいる以上、ワインに無関心でいることは不可能! ですので、オルヴィエートから北西に約58kmのところにトスカーナの村、ソヴァーナへのワイン・テイスティング日帰り旅行に誘われたとき、私はすぐにその馬車に飛び乗りました。 この旅を主催してくれたのは、地元のワインについて豊富な知識を持つフレンドリーな地元のワインディーラーと、オルヴィエートに住む外国人が 「イタリア語を話すため」息抜きによく集まる、魅力的な小さなバール、「ブルー・バー」のフランス人のオーナー。

英国、スコットランド、ブラジル、フランス、カナダ、イタリアと、さまざまな国から集まった8人のメンバーは、2台の車に分乗し、曲がりくねった田舎道を通ってソヴァーナへ。途中にあるピティリアーノの街は、凝灰岩の石でできた崖の上に築かれた美しい中世の町で、私たちの街オルヴィエートによく似ています。 ワイナリーに着く前に、ソヴァーナの小さな村に立ち寄り、のんびりと散歩を。「I Borghi più belli d'Italia」(「イタリアの最も美しい村」)にも掲載されているこの美しい街・村については、また別の機会に。

丘の上にそびえ立つピティリアーノの街

小さな村、ソヴァーナの広場

ソヴァーナ村からわずか5分のところにあるワイナリーの名前はFattoria Aldobrandesca.・アルドブランデスカ。 親会社のマルケージ・アンティノリは、1385年創業のイタリア最大級のワイン会社で、世界で10番目に古い家族経営の会社だそうです! 26世代にわたる偉大な歴史が、このワイナリーの礎となっているとは驚くばかり。

ファットリア・アルドブランデスカが位置するトスカーナのマレンマ南部内陸部は、白い軽石、黄色い凝灰岩、黒い火山岩など、さまざまな色の土壌を特徴とする肥沃な土地に恵まれています。 尚、近くのアルジェンターリオ半島は非常に温暖な微気候で、周辺地域はブドウ栽培にとても適していること。 この地域では、エトルリア時代に遡る古代の地場品種である”アレアコ”や、原産地はフランスだがこの地域の栽培に適した”マルベック”などが栽培されています。

車を降りると、ワイナリーの美しい芝生の上に置かれたテーブルの上に待つのは、冷えたシャンペングラスにスプマンテのボトル数本。私たちは爽やかなスプマンテを味わいながら、前菜(地元のペコリーノチーズ、生ハム、焼きたてのフォカッチャ)が次々とテーブルの皿を満たす中、ワイナリーに着く前に訪れた可愛い村、ソヴァーナについてのおしゃべりに花を咲かせました。ポカポカする太陽の日差しの気持ちの良いこと。

お腹が軽く満たされたところで、畑に植えられているブドウの品種についての説明を受け、その後ワイナリーの醸造所とセラーを見学。 驚いたことにブドウ畑には灌漑設備がないので尋ねたところ、温暖な気候と適度な降雨量、そして土壌の保湿力のおかげで灌漑設備は必要ないとのことでした。

ワイナリーの見学が終わると、嬉しいサプライズが。私たちが通されたのは庭のバラで飾られたワイナリー隣接のフォーマルなランチ・テーブル。

最初のコースはラビオリのパスタ、続いて地元イノシシのラグー、爽やかなルッコラのサラダ、そして庭で採れた野生のチェリーを使った自家製リコッタ・トルテ。 食事に合わせた4種類のワインは、又もや爽やかでバブリーなスプマンテで始まり、パスタにはアレアティコ種のロザートRosato 、肉料理のラグーにはどっしり感のあるヴィ・カーヴ・マルベックhttps://www.antinori.it/en/vino/vie-cave-en/ 、そしてデザート・ワインはアレアティコ種のアレアティコ・スーペリオーレ Aleatico Superiore。 最後はもちろん、濃いダブル・エスプレッソで。

午後遅くまでワイナリーやワインの製造について楽しい会話が続き、気が付いた頃にはもう夕方、オルヴィエートにそろそろ戻らなくては。

何て素敵なワイン・テイスティングの一日。次にこれらのワインを口にするとき、その味わいは間違いなくこのワイナリーのスタッフの温かいもてなしと、マレンマの美しい風景へと私たちを連れて行ってくれる事でしょう。サルーテ(乾杯)!

 
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